スパイラル最終巻読みました。(立ち読みw)
うーん…。

自分はミステリー、もとい作者と読者の駆け引きは嫌いなんですけど
キャラクター同士の駆け引き、兼ね合いは大好きなんですよね。
そういう意味でスパイラルはかなり好きな漫画でした。

でも…あの終わりはどーなんでしょう。
結局何も解決してないハッピーエンドっすか?
あれだったら歩いらないじゃん。

論理を崩すのに奇跡は使いたくないんだろうけど
崩さずにそのまま終わるとかもっと最悪だし。

あれじゃぁ結局ブレードチルドレンは発狂するって事っしょ。
発狂しないのが奇跡だからこそそこまでは物語を続けられないとかどうなのよ。

それにひよのをキーにするなら
もうちょっとひよのの意思を出して欲しかったなぁ…

あれだとひよのもいなくてもいいじゃん…

つかね、理緒が先生即殺ししたのに
自分が死ぬのに怯えるっていうのはまだいいのよ。
実際、殺すことと殺されることって全然別のものだろうから。

だけど歩のあの性格で
その理緒を守ろうと思ったのは何故かってのがいまだに納得いってないんだけど…
歩って最近流行(?)の達観系キャラじゃん。
ひよのの事ですら受け入れてしまえてるのに。
論理構成はかなり良く出来てると思うけど
かわりに感情構成がかなりご都合主義なんだよね。
達観キャラだからだったら許されてしまうんですかね。
現実的に昨日好きだった人が今日嫌いになったり
その逆もありえるわけだろうけど…
何も触れないでそうするのは
それを唐突に起こしてしまっている、
唐突にでも起こせる(大本のストーリーに無理やりに感情を当てはめている)
というようにしか思えない。
読み取れよ!と言っているのかも知れませんが。
むしろ好き勝手に自分で補ってとか言ってるのかも知れませんが。

自分にとって一番面白かったのはカセットテープ編なんだよね。
むしろあそこがクライマックスだったかも。

話繋がってるようで繋がってないし。最初の殺人とか。

そういう意味ではカノン編くらいまでだね…
クライマックス後としても。

手持ちじゃなくて全部外で読んだので記憶違いとかあるかもしれませんが。
そして全巻通して読めば実は整合性が取れてて面白いのかもしれませんが。

うーん、終わり良くないとすべて良くないように感じる。

こないだ漫画読みに漫画喫茶行ったんだけど
兎もアメンオサも天上天下もなくて
読めたのげんしけんだけだったよ。

久々にお気にだった漫画読んだのになーんかなぁ。
弟の誕生日ですので家族で食事しました。
場所は飲み屋。親父が酔って醜態を晒してもいいようにとの事です。
親父は昔は角をストレートで一晩で飲みきるなんてやってましたが
寄る年波には勝てない模様です。
ちなみに母親はめっちゃ弱いです。お菓子のアルコール分で酔うくらいです。
俺はそれをかなり受け継いでるようで。

目にまず入ったのは弟が着けているペンダント。
店の照明を受けてきらきらと輝きますが
その輝き方が自分には薄っぺらく感じます…

Maoriの「深い愛」を身につけた弟。
「これ彼女から貰ったんだよね」

そか、彼女できたのか…なんて思う俺に次の言葉が。

「彼女中国人なんだけど」

え? え? えええ?

…うん、こくさいこうりゅう!

自分は中国嫌いです。外人は中国人に限らず嫌いです。
でも実は外人が嫌いって訳じゃなくて
日本語を話せない人が嫌いなんですけどね。
ちょっとでもイントネーション違うとダメです。

だから逆に言えばどこの国の人であろうと日本語が達者なら
別に嫌ったりしないのですがそんな人はめったにいませんね。
それでも中国は…例外にしときたいくらいですけど。

後はピーナ勘弁です。
倒れそうです。言葉酷すぎるし。
つーか言いたい。国産で十分だろうと。
なにゆえ輸入までしとるんだと。
金の魅力が通じやすいからですか? ねぇ?

弟の彼女は中国人っていうか中国人と韓国人の子供らしく
国籍も韓国を取るとかよくわかんない事言ってました。

正直何が違うのか良く分からないのですが。

弟も…中国嫌いだったハズなんだけどね…
まぁ今日本で中国LOVEなんて人いるんですかね。
日中関係なんて前俺と彼女の関係で述べた
宣言された「チキンゲーム」みたいなもんじゃないですか。
正直一度決裂させないとどうしようもない。
国と国との関係を男女関係に例えるなんてどうかと思うけど
案外ぴったりきますね。
当てはめてしまうなら中国が男で日本は女ですか?
(そして米国も男?)

しかし実際中国のアレは外交手段であって
それなりに話が分かる人ってのは別に日本の事が嫌いでもないらしい。
戦争責任うんぬんなんて言う事は言ってこないそうです。
うーん、あのデモとかなんだったんだろ。
結局はそれだけ操作される人が多いって事でしょうか。
まぁ日本だって前の選挙でこの選挙だけは行かないと!
なんて操作された(?)のと大して違いないのかもしれません。

むしろ弟の方が中国の悪口を散々言って彼女が泣いたとか言ってました。
おぃおぃ。どんな付き合いだよ。

実は弟の友人は中国人と結婚したんだそうですが
その紹介で知り合ったらしいんですね。

んで、酔いの勢いもあってチューしたら
中国ではチューして嫌がらなかったら付き合う事になるそうです。
それでいつの間にか付き合ってたとか言ってました。

まぁ日本でもチューしたら結構付き合う事にもなるとは思いますがね。
つか酔った勢いかよ!って昔の我が身を振り返るとあんま言える訳でもなく。
…ね、出会いじゃなくて過程だよね。経過だよね。育むんだよ、うん。

なんか弟は理系なのですが
この先どうせ女の子と知り合う機会ないから
このまま付き合ってもいいかなみたいな感じの事を言ってました。

なんて計画的なw
でも…いいんですかね。
本人がいいならいいんですけど。

ちなみに顔はプリクラ見たけどまぁまぁでした。
どっちかっていうとキレイメ系です。
可愛い系が好きな自分としては選外でしたが。
弟と女の子の趣味はかなり違います。

NHK朝ドラの姉妹結構可愛いと思うんだけど(特に妹)
弟は姉の方はブスとか言ってました。妹の方は評価聞いてないですが。

途中弟は彼女から日本語検定1級受かったとの報告を受けてました。
だからと言って弟が中国語を学ぶわけでもありません。

結局はどっちかの歩み寄り。
…ほんとくさい交流。国際に限らずね。

だけどケンカしたり、むしろだからケンカしたり。
それでも、一人でいるよりは。
別に美味しい物じゃなくても生きてゆける。
生殖が付随しなくても快楽は伴う。
睡眠は欲しても行為中は意識が無くて。

それが目的なら他の全ては意味を持たないんだ。

もう、振りかえれないよ。まるで一定時間で崩れる足場。

 薄く、薄く溶かしたラベンダーの香。

だから目的だって思いこんでいる、依存、執着。

 休墾田で一面に咲き誇る蓮華。

ああ、そうだ、望んでるんじゃない、奪って欲しいんだ。

 眠れずに泣いた夜。

届かない想い。途切れた想い。どこにいくんだろう。
全て集めたら世界を変えられたり、する?

 闇の輪郭をなぞり続ける粒子。

僕は
…ごめんなさい
君は
…ありがとう

傷つけられるのも、傷つくのも、だったら、僕。
それは自分よりも痛くて、痛くて。
悲しいループはもうやめよ?

いつか、緩やかにほどける。
だから、その時まで。

 手を繋いで歩いた草原。
 どこにも繋がってない。どこまでも果てが無い。

それでも日差しはあったかくて。

 透き通った肌寒い空気。

でも、日差しはあったかくて。
 
 
  
P.S. 最近のお気に入り 一輪の花/HIGH and MIGHTY COLOR
   次点 Revolve/UVERworld(カップリングの方ね)

Biotite

2006年1月29日 日常
なんか最近の日記は良く言ってサブカルチャー、
悪く言えばオタくさい事しか書いてませんね…

あー、まー、いんです。俺オタクです…
メイド喫茶に行った事はありませんが。

こないだ会った従姉妹が東京にはメイド喫茶あるんでしょ?
とか聞いてきた事を思い出しました。

えっと…東京のイメージってそれですか?

そういや別の言葉も有ったな…
俺の一番古い友達で
超カッコいいんだけど
ホントに朝起きられなくて
高校は卒業はしたけど卒業見こみが取れなかったから
センター試験受けられないで
2年間バンド活動やって
その後コンピューターの専門学校行って
卒業は俺と同じだなって笑いながら言って
仕事の効率落ちるからってタバコをきちんとやめたやつ(長いねw)
が中学の時言った言葉なんだけどさ

「不良ってなんか物壊したりとか何が楽しいのかわかんねーよ
オタクっぽいゲームとかアニメの話とかしてる方が100倍楽しいし」

だとさ。ちなみにそいつは下っ端不良とちょっと仲がいいって感じで
オタクっぽいのとも話すという変なやつだったんだけど。

目標をしっかり持てるやつで、自分を見失わないやつ。

趣味に女の子ってカテゴリーがないらしく…
こないだ話した時まだ…未経験だった。

マジでカッコ良かったんだけどね…

「鶏肉を食べた事のない国の人は…」かな。

人によっては恋愛なんてそんな物でしかなくて。
知ってしまい依存してしまう事をまるで匣を開けてしまったかのように
嘆くなんてまちがってるのかもね。
果てのない海で溺れているだけ。

30代の4割は未婚だって「ガイアの夜明け」で言ってたよ。
この番組結構好きでたまたまテレビを付けた時にやってれば
欠かさず見る(形容矛盾)んだけど
そう言えば「うなずき屋」で放送倫理違反しちゃったね…

そんな中で恋愛講師が
「偶にはストライクゾーンぎりぎりも打ちましょうよ」
なんて言ってたけどそれってすでに恋愛ではないような…

恋愛と結婚は別とはも良く聞きますけどね。

仕事の休み時間もとい暇な時間とか雑誌読むんだけど
もう漫画とか週刊誌とかはだいたい読んじゃったから
(ひぐらし2話目の漫画読んだけどアレ絵は本物よりいいねw)
ギャル系雑誌まで読んで見たら、

ん…これ18禁だよね。

初めてそんなの読んだのは10年くらい前に帰省した時
従姉妹が見せてくれた「エルティーン」で
近親相姦もレイプも先輩とのも全部読者の体験談として載ってたよ。
…作り話だろ。これって。

その頃から何も変わらない。
最近だとリアル比率が上がってる気はするね。
でもこういうのに載ってる恋愛系の話なんてのは
男向け雑誌の恋愛指南なんかよりよっぽど役に立つんだよね。
そこから求められるものを逆算した方が「使える」んだとは思うよ。

ひとつ驚いたのは
別れてやり直した人が55%もいたって事。
もっと…少ないと思ってたよ。
糸を繋ぎとめるのってそんなにも簡単な物だったのかな。

投稿体験は捏造だって言って
投稿の%を信じるなんておかしなことではあるんだけど。

初体験の平均は16.5才だったけど
これについてはそういう雑誌を読む子の平均であるし
さらに読む子の中でも未経験の子はわざわざ投稿はしないって事も考えれば
やっぱり…実際どうなんだろ。

それで初めてでそのまま上手くいく事って少なかったりするのかな。
だとすればやっぱりそれは傷その物になりうるのかもしれないけど
(いや、全く気にしない人もいるのは間違いないね)
上手くいく人と巡り合う為には多くの人と係わらなきゃいけないっていうのは
逆説的な不条理だね。
数多の卵から産まれる稚魚がほとんど到達もできないってみたいに…

傷つけてきた人達に謝ろうなんて偽善だから
すべきことではないしできることでもないけれど
そこでこれを書いてしまう事自体がどうしようもなく偽善。
それで男に生まれて良かったのかもしれないなんて思えてしまうなら
手首に見難/醜く刻めばいいのに。

まるでどこかすれ違ったような二律背反。
ずれ過ぎて重なる。積層。透き通るほど薄い多重構造。

                      き ら ら
プラスチックよりも簡単に砕けてしまうビオタイト。
お久しぶりです。鬱ゲーをやったらブルーになりました。って
唐辛子を齧ったら辛かったって言ってるような物ですね…

最近物語をやったり読んだりしているわけなんですが
それでいわゆる「寝とられゲー」って言うのをやりましてね。
「寝取られ」なんてスワップみたいなもんだろとか思って
興味すら無かったわけですが
そのゲームは話として良くできてて…まぁ鬱になったと。

それについて色々思う事があったので
書こうかなと思ったんですが
露悪的でしか無いし長くなりそうなんでやめました。
何時の間にか折角最大文字数10000文字になってるんだけどね。
といいつつまぁ機会が有ったら書くかもね。

なんかねー、痛いの好きだけど
そして幸せって痛みがないと相対的に気付けないものではあるけど
お約束ラブコメもそれはそれでいいのかもしれないとか思えてきました。

18禁ゲームって一概にくくられるけど
小説で言えばエロ本とちょっとそのシーンがあるだけの物の
2種類が混在してるんだよね。
んでエロいやつなんか面白くもねーんだけどこれが見ただけじゃわかんない罠。
そしてノベル要素強いヤツとかエロシーンいらないの多いし!
まぁそれが現実なんでしょうかね。
でも小説はなんでエロくても18禁とかなってないんですかね。
昔「O嬢の悲劇」読んだ事が有るけどあれエロ小説としか思えなかったぞ。
エロと普通の文学って紙一重なのか? って改めて聞くものでも無いな。

しかし読む・やるといってもノベルゲームとかライトノベルばっかなので
もともと悪い頭が更に悪くなるかもとか心配ですよw

まぁ本質的な部分が変わるわけでは無いんだけどね。
俺村上龍で一番好きなのは「希望の国のエクソダス」なんだけど
あれって経済ファンタジーだし。
魔法とかが現実的な要素に置き換わってるって事なんだよね。結局。
それが大きな違いなのかもしれんけど。
でも「限りなく透明に近いブルー」ってどこが面白くてどこがいいのかわからない。
だれかこのアホに解説してくださいよ。

んで、西尾維新の小説だけど
感想1つずつ書こうかと思ったけどメンドいから止めた。
ぶっちゃけつまんなかった。「人間試験」だけは面白かったけど。
(読んだのは戯言シリーズ+きみとぼくのみ)
ただ、なんか続きが気になるって点はあって全部買って読んだけど
図書館で読めば良かったって感じ。

まぁ、元々俺がミステリ好きじゃないってことと、
キャラが立ちすぎてるってこと。
思想色が強すぎて物語っていうより思想書になってるってこと。
もちろんそれが全く無いのは駄目だと思うけどね。
あと表現で繰り返しが多い。
繰り返しって元々あまり俺好きじゃなくて
でも最近結構いいかなとは思ってたんだけど…
例えばだけどなんかぶっこわれた現象があって
倒壊・崩壊・バラバラ・解体なんて並べれば
どれかは受け手の持つイメージに引っかかるよね。
だけど書き手はその場に一番有った言葉って言うのを選ばないといけないと思う。
強調以外で繰り返し表現は避けるべきだと思うんだよね。
まぁこれは俺がすっきりとした文章が好きだからっていう嗜好性の問題かもだけど。
詞的にレベルが高いほうがいいんですよ。…俺はね。

ちなみにこのシリーズ、パンフまであるんだけど
本屋店員の紹介で
「いーちゃん(主人公)をまわりの女の子が犠牲になって、
命掛けで成長させていく物語」
って書かれてるんだよね。
上手い言葉が見つからなかったんだけど、そう、まさにこのまま。

これは他のゲームとか同じような感じのがかなりあったので
最近の風潮かもしれない(?)んだけど
こういうストーリーの感じがどうも…

主人公は頭良くて戦略的考察ができるけど
戦うのは女の子で守るんじゃなくて守られる。

んで、誰からも好かれてるけど
誰を好きなのか分からなくてなんで生きているかも分からなくて
結局最後はあいまいにしたままで
ヒロイン1番他2番みたいな感じで
さらにレールに乗ったままでもいいじゃん それを楽しもうみたいな。

おいおい節操ねーって!
誰かを選ぶって事は誰かを選ばないって事だろ…
全部に折り合いを付けないのはありえないかと…

これはあれだ、マジで時代が変化してるからだろうね。
なんかもう親父くさくなっちゃった気分でアレなんだけど
最近の若いモンは…ってやつだ。

最近の若いモンは…異性間の友達と恋人の境界があいまいなんだろうね。
好きだしえっちもして、でも友達。他にも友達いるよ、みたいな。
そりゃ男女間の友情も成り立つよな。別の意味で。

はー、出会い系の繁栄かなぁ…
俺自身実際昔は女の子って結構聖域視(神聖まではいかない)してて
でもそんな事無いって分かってそれが結構パラダイム・シフトだったんだけど…
(書こうかなって思ったのはこの辺の事ね)

だからと言ってフラグ立てまくりの全方位待ち戦略はないわぁ。

痛みを知らないのに目を背けてばかりでは何も生まれないのに。

ふふ、知ったところで何も生まれないなんて言われてしまいそうだけどね。
http://flat.web.infoseek.co.jp/DIORAMA/diorama_demo.exe

(多少ネタバレを含んじゃったかな…)

これは18禁同人ゲームなんですが、
なんと御影瑛路がシナリオを書いてるんです。
時期的に多分デビュー前に書いた物だと思うんだけど…
プロが同人ゲームのシナリオライターってすごいね。

で、ゲーム自体のできはかなりの物です。
絵はちょっと…場面によって顔が変わってるし(原画3人だから?)
有名所に比べればちょっと落ちるかもしれませんが。自分は結構好きですよ。
てかこれで同人なのか…
このソフト限らず最近は普通に市販されてる物並みのがかなりありますね。
どこかのサイトには市販メーカーは同人を見習えなんて事まで書いてました。
受け手と作り手の境界があいまいになってるんでしょうね。
ブログ本の出版にしかり、電車男にしかり。
(電車男がヤラセだったらそいつはまさにプロだが)
なんにしろ、これだけできる同人というアマチュアが
他も含めてかなりいるであろうという事はすごい事ではありますね。

ストーリー自体は…なんというか。
御影瑛路っぽい。うん。おれはすごい好きだけど。
ただ、少し短いんですよね。ちょっと物足りない…
だから登場人物の心の動きがストーリーに合わせて
早急に変化してしまっているような感じがあります。

いつものように、「なんで生きてるの?」てな感じ全開の切ない各シーン。
ただ、個々のシーンが先に有って、それを無理やり繋げている感じがします。
大本のストーリーにそれを埋め込んで言って整合性を取らなきゃいけないのに
ちょっとそれがバラバラになっちゃってる感じ。
ですから、俺の言葉で言っちゃうと詩的な部分が強い作品って印象を受けます。
この人のそれは俺好きだからいいけどね。

魔法とか神とか超能力とか霊とかそれは実際無いものですが
(まぁフツーの人は感じられない、でもいいですが)
ファンタジーに見るように表現方法としては使っていいものでしょう。
ただ、そうする事によって受け手に
強い印象を与えられないというのがあると思います。
人が生き返る魔法がある世界じゃ人の死のもつ意味も薄れます。
毎回スライムが襲ってくる世界の人の気持ちなんて俺らには分からないでしょう?
だから、物語っていうのはなるべく実世界に合わせて表現するという事が必要だよね。
よくある、未来予知を感覚能力の延長として説明したりするように。
それは加速し続ければ光速を超えられるっていうような物かもしれないけど…

この作品では、世界そのものが魔法。
物語世界全体そのものが歪んじゃってる部分があるんですよね。
「短い」ためか、個々のシーンを優先したかったためか。
そこがちょっと残念と言えば残念で、
でもそんなことはどうでもいいところだと言えばその通りでもある。

まぁ一番重要なのはどれだけ個々のシーンを詰めれるかだから。
物語の整合性はどちらかというと御膳立てでしょ?
これは俺の考えなんだけどね。
それに御膳立てもしかっりしてなきゃ駄目と言えば駄目だし。

内容について言うと…
俺なら「きみのぞ」をこう書くぜ! みたいな感じかな…
誰かが日日日の「私の優しくない先輩」を
俺なら「セカチュー」をこう書くぜ! って評した事あったけど。
実際似て非なる物なんだけどね。
それらの作品にしたって、他の全ての作品にしたって
突き詰めて行けば「オリジナル」が存在するだろうからね。
誰かが先に書いてしまった、その物じゃ無くて。
その物を知らなくても、結構誰もがそういう物って
元から知ってしまっている物なんだよね。
もし、自分の大切な人に何かあったら、とか。
恋愛の切なさと痛みと壊れそうで小さな幸せとか。
だから俺はまんまパクるってわけじゃなけりゃなんでもありだとは思うけどね。

それにしても、最近は

奇跡って起こらない

ってのが主流なのかな。
もしくは起こったとしても大きな代償を伴うっていうのが。
もしくはエンディング(だけ)でさりげなく奇跡が起こってるとか。

たしかに奇跡がほいほい起こるようなお話って
魔法なんかより劣悪だけど
そして奇跡ってやっぱり実際には起こりにくい、
ほとんど起こらないってのは分かるんだけど…
なんか救いが無いよね。
その救いの無さが嫌いってわけじゃなくて結構好きなんだけどさ。

「きみのぞ」って遥が目覚める事がすでに奇跡なんだよね。
全体の印象の中で忘れてしまっていたんだけどさ。
というわけで俺はある程度の奇跡ってあってもいいと思うんだけどね。
それが無いと物語自体も産まれなかったわけで。

ちなみに選択肢1ミスバッドエンドです。
でも…やると分かるけど選択肢に明確な意味がある思います。
それは1回適当(?)にやってみてバッドエンドを見れば言われているはず。

バッドエンドまでが第1章って感じ。選択合ってると何事も無く先進むけど。
続きは選択肢無しの第2章ってこれ、アレと逆だね。先に「選択」がある感じかな。


ひとりじゃ何処にも向かえないけど

ふたりでいれば何処までも歩けるから

日本語テスト

2006年1月13日 日常
http://www.atok.com/nihongotest/

期間限定らしいです。
71点でした。
敬語がぼこぼこですたよ。まいりますた。
ISBN:4840232679 文庫 御影 瑛路 メディアワークス 2006/01 ¥578

(今回はネタバレをほぼ含みません)

出てたんで買っちゃったよん。3作目。

うーん…。なんというか…。
夏休みに宿題、あるいはふとした気まぐれで朝顔を育てるとして
その観察日記を絵も無し写真も無し空想も無しの文章だけで
面白く掛けって言われたらどうだろ? 無理だよね。

絵か写真ならそれを作品として仕上げるのもできるんだろうけど。
なんか面白いね。手段の差異ってだけなはずなのに。

っと脱線。えーなんというかこの作品は
神栖麗奈設定資料集?ってトコ…

うーんそこまでつまらないわけじゃないけどね…
むしろ設定大好きな人には評価高いかも知れないね。

あとがきでも本人が初めに書いたものは
「設定上前作以下のでき」になってしまい散々書き直したって言ってるけど
ほんとに設定に縛られてしまったって感じ。

「リング」は「らせん」に続き更には方向性を変えた「ループ」まで続いたけど
これって逆に戻ってるんだよね…題名でひょっとしたらそうじゃないかとは思ったんだけど。

前作は終り方を含めて結構な出来だよ。だからこそ続ける事は難しかったのかもしれない。

多分これは作者が自分の中の構想すべてを明らかにしておきたいってのから来てると思う。
それは悪い事じゃないと思うけど。それに性格は変えられないだろうし。
(最近のミステリー嫌いな俺としてはそのスタンスには非常に好感は持てるね)

そういやガンダムF91小説版も上巻と下巻半分が設定なんだよね…
やっぱなんつーかあんま面白くないけどだったらアニメで終らせろってトコなのかな。
それは2種類の表現を取れるんだったら正解なんでしょうけど。

前作が面白かったからこそ同じ世界を引きずるなら超えないと駄目なんだよ。
あるいは限定的だけに関わらせるかだよ。

んー 一番面白かったのは1作目の「僕ら〜」だな…
2作目に続いてる訳じゃ無いけど…パワーダウン?

というわけでちょっぴり残念でした。
人対人コミニケーションで各自の思いが違っていたっていうのを明かす
駆け引き?は健在(この人はホントその構成を考えて書いてると思う)
で面白いとは思いますが…

次回作は方向性を変えるという事らしいので期待して待ってみます。
ISBN:4840232385 文庫 御影 瑛路 メディアワークス 2005/12 ¥641

(多少ネタバレ含みますって感想って少しはそうしないと、ね?)

はい。御影瑛路の2作目です。
ジャンルはホラーかな…救いないです。
この人の話は話自体に意外性は少ないのですが
出てくる登場人物の心の動き、流れが素晴らしいと思います。
いじめられっこ、いじめっこ(とまでいかないでも原因を作った人)の自殺、
そして…乱暴された少女、しずかの自殺。
ここまでは言ってはなんですが話自体は良くある話でしょう。
しかし、そこに関わっていた「麗奈」の存在…
そのしずかであった彼、和亮はその存在を突き詰めていきます。
幽霊をただある者、不気味な物、イレギュラーとして扱わず
定義して突き詰めていくのはこの作者っぽい所だな、と思います。
しずかは最後に「気付いて」も飲みこまれてしまう。
そして和亮は知りながら、自分「麗奈」に何を求めるのか考え、
ついには倒す事に成功する。
…ただし、それはやっぱりというかなんというか悲しいホラーな結末。
誰もが足掻きながら、幸せになれない。
人間ってこんなにも不器用なんだっていうのがひしひしと伝わってきます。
なんていうかその救われなさっぷりが凄く切なくて悲しいです。

前作はハッピーエンドですが今回はかなりのバッドエンド。
でも共通するなんといえばいいかな…言わば「透明な寂寥感」が
満ち溢れています。
というわけでかなり面白かったです。

そうそう、本編と関係無い話ですけど

運命的な出会いなんて全然無いけど
その関係がずっと続いていくのって運命的だよね。
(多少ネタバレ含みます)

様々な回答が出てしまいましたね。
犯人、大災害を始めとして、「病気」などなど。

俺はミステリー嫌いです。

まぁ霊(に準ずるもの)は霊感の多少によって
見えたり見えなかったりでいいとしましょう。
ウィルスも鳥インフルエンザなんて言われている昨今
多少の物はありだとしましょう。

だとしても…
俺らには登場人物の視点を通してしか世界が分からないんです。
世界の裏側で起こった殺人犯はこいつでーしたっていうような物です。
最近のものはどーもそんな感じのミステリが多いような気がします。
ミステリ嫌いというよりは最近のミステリが嫌いとでも言うべきかな。
ドイルとかは好きですよ。古典もいいとこですが。
比べるならまだお約束簡単謎を即時解決、さすが主人公!の方がいいかな。

というわけで謎うんぬんはどうでもいいです。
自分はストーリー中心です。すべてはストーリーから!
登場人物の心証行動思考動作!世界の謎の有無は気にしません。
といっても今回のウイルスはやりすぎだと思うけど…

ストーリーの展開が今回は前回の焼き直しに感じたという所がかなり不満。

K1があの悲劇を繰り返したくなかったから戦うってのは
そしてあの悲劇で信じて笑って死んでいったレナを
追憶するってのはすごいくるシーンだったけど

今回それが梨花に変わっただけなんだよね…

うーんなんか今まで良くも悪くもあっと言わせてくれたのに
今回はそれがちょっと…
この編自体で上手く幸不幸のバランスは取られてる感じはするけど
沙代子編の割合高すぎだし…
(それを持ち出したら経て直す方向にかなりの文章がかかるのは仕方ないんだろうけど)

ただ、本筋自体の展開はされているとは思います。

上手く行っていたからこそ「犯人」のしっぽを捕まえる事ができた。
種明かし、というのがそんな感じでさほどタネを明かすだけにはなってないと思います。

それで今回はそこまで辿り着いた上でのバットエンド。
次回はそれを乗り越えてハッピーエンド、かな?
今までのひぐらしの法則に基づいてもかなりの予定調和ではあるでしょう。
もし今回いきなりハッピーエンドだったらそのことこその方が問題です。

しかしホント…謎なんて知りたくは無かったって言う気分があるのは事実ですね。前回の話はかなり良かっただけに今回も期待してたんだけど謎解きに費やさざるを得なかったってのがなんとも。うーん。前回の点が高すぎたってだけにしとくか。

さらにもう一つ言うならばハッピーエンドの筋道が見えかけてきちゃうんだよね…今回の話で。敵は自衛隊かどうかはわからんが特殊部隊であり、そんなのに対抗できるのは…「おやしろさま」しかないでしょ?
そして「彼女」が信じて無かったからだなんて言っちゃてるし。
これについては裏切ってくれる事を望みますけどね。
「おやしろさま」暴走とかは裏切りすぎて却下。ないか。

次の話、ほんと出尽くしちゃった感があるのにまたバットエンドだったらどーしよ…

何にしろ次回が楽しみではあります。
やっぱり良い意味で期待を裏切って欲しいなぁっと。

一つだけ気になる事があるんだけど
何編かは忘れたけど梨花ちゃんが「注射器」を持ってた編あったよね。
それはもう処分されてて診療所にも無いはずなんだよね?
34は持ってるけど…それを梨花ちゃんが持ってたのは何故だろ?
今までの話からは何故梨花ちゃんがそれを手にしたのか繋がらない。
100年のうちのどれか語られてない梨花ちゃんの話だとすると
なんでもありになっちゃうし…

やっぱミステリ駄目だって。

振り返れば今回は真の意味(沙代子編が終ってから)で
運命にあがらう場面が少なく、さらに瞬殺されてしまったってのが
面白く思えない要因なのかな…

まぁ、でも個々の瞬間風速はかなりありましたよ。
泣けるし。さすがはひぐらし。

ああ、また半年後かぁ…

P.S. 初めて音楽室を使ったけどその演出にビックリ。凝ってます。
今回のがそれほど面白くないと思える真の原因が分かりました。
梨花を主人公にする事により読み手にも
どんなバットエンドでも「次」があると思わせてしまう事だからでしょう。
…まぁしょうがないのかな。

青梅小旅行…?

2006年1月8日 旅行
昨日から今日に掛けデートしてました。

昨日は夕方頃会ってそのまま食事、
久々にカラオケに行こうかなって感じでしたが
どこぞにお泊りしたいという彼女の希望もあり
備え付けのでいいかと言う事に。

土曜日だからどこも宿泊10時からだし…

いや、なんと有りました。8時から泊まれるトコ。
いつもの高尾の奥地の所です。

そこじゃなくて他のところがいいなって希望があったんですが
前延長2時間とか無理ですから…

それで早寝早起きっと。
延長しないで済むなんて珍しい。

あ、そう…コンタクト片方無くしました…

折角なんでひさびさにどこぞへ行デートという話になり
青梅にレトロな町並みがあるって事で行ってみる事にしました。
青梅って近いけど遊びに行く機会なかったしね。

まさに「昭和」っぽい物とかって
俺はギリギリ幼少時代のノスタルジィを感じるんですが
考えてみれば彼女はそんな事ないんですよね…

なんでそんな古い物とか好きなの?って聞いたら
なんか惹かれるんだそうです。

黒電話のシンプルさ、まさに機能美に惹かれるような物のかな?

着いてみれば、商店街自体は
古い看板を取りあえずくっつけただけってな感じ…

昭和レトロ館
青梅赤塚不二夫館
昭和幻燈館

3館の博物館がありセット700円のチケットがあったので買ってみる。

まず昭和レトロ館。

古い商品が陳列されています。でもちょっと小さめ。
「町並み」を感じる事はできず。

お腹が減ったので食事に。
食事できそうな所が全然無いです。

そこでほんとに町のラーメン屋といった感じの所へ。

ラーメンは中華そばといった感じでした。
麺がうどんみたいな味。
スープもただの醤油味。
…うーむ。

青梅に行く事があれば食事は済ませて行く事をお勧めします。

次に赤塚不二夫館。

展示物はそれなりで面白かったです。
…でも赤塚不二夫ちょっとでも好きじゃないと意味無いね。

最後は昭和幻燈館。

…昔のジオラマがちょっとあるだけですよ。
いや、マジでちょっと。すぐ終り。

微妙になんだかなー感満載。
ナンジャタウンの方がましかもとか思っちゃいました。

帰りに彼女の希望で昭島のジャスコに行く事に。

彼女いわく、ジャスコには安くて可愛いい物がけっこうあるそうです。

中に入ると…
まだちっちゃい女の子が…
オシャレ魔女ラブandベリー の機械に群がってました。

ムシキングなんて目じゃないくらい。
ムシキングにも結構ガキいたけどさ…

なんか…女の子がカード排出のゲーム機に並んでるなんて…
うーん…

そして彼女の服を見てみることに。
紫のトップスが欲しいって事でしたが
10枚以上見てやっといいの1枚ありました。
値段は1500円。やっす。こんなん来ていいんですかね?
ベルトも買ったけどベルトは1900円。
うーん…まぁ本人がいいっていうならいいか。
ああ、もちろん1シーズンの使い捨てらしいけどw

昔は良く食べたクレープを久々に食べて
31のだったんだけどラムレーズンがイマイチだったり
彼女は全部食べるって言いつつ
昔のように甘くて気持ち悪いって言って残りを俺に渡したり。

そうそう、初詣に行った彼女のおみくじは
去年に引き続いて凶だったそうです。
ISBN:4840230404 文庫 御影 瑛路 メディアワークス 2005/05 ¥578

超面白いです。
第11回電撃文庫最終選考まで残った作品らしいですが
なんで最終選考で落ちたのか分かりません。

ただ、衝撃の問題作というほど衝撃じゃないです。
もうひとついうならば
「鎖」のガチャガチャ…だけはちょっといけてないかも。

大本は…「赤い木の実」?というか
何で生きているかとかなぜ殺しちゃいけないとかを
ストーリーを交えて進めていくと言った感じ。
「ファウスト系」っていうらしいですね。どうも。

そして名前を着ける事によってそれを認識できるって言うのは
記号論だっけ? これ有名だよね。

まぁそんな事はどうでもいいんです。

いきなり魔法、魔法耐性なんてでてくるから
これはハズレか…なんて思いましたがそんな事も無く。
成長もしくは諦念しきってない、ぎこちない心の動きを重ねていくところがすごくいいです。
ストーリー自体は可も無く不可も無くくらいなのですが
その中での登場人物達の迷い、思考、方向性がそれを凌駕しています。

あとは、兼ね合いや、駆け引き。
「器すらない」×「効力を薄ませている」
「声は届かなかった」×「○○○」
そして、そもそも、主人公と、彼女。
登場人物もそれぞれがそれぞれに良い。

全体的にとても綺麗で美しくまとまっていると思います。
うん、ちょっと切ないラブストーリーって感じ。
ミステリーとして読んでは駄目ですよん。
あ、ちゃんとハッピーエンドですから。

といわけで俺的には超高評価、好評価だったんですが…

とあるレビューだと…「西尾維新のデットコピー」だって…なにー!

というわけでそれも読まないとと言うか読みました。
この作者の次回作も読みました。
(田舎時間ありましたんで)
合体・対比させて書く事も考えたんですが…まぁ感想はバラでって事で。

ほんとーにマジで超良かったです。
文字だけのジャケ買いした割にはおおきな収穫でした。
疲れてます。取り憑かれてます。んなことはないか。

戻って来ると気温の違いがサイコーです。

部屋で息が白いです。

でも秋田とかすごい雪で大変らしいね…

たまたま見たTVでこの冬の寒さの経済効果が1兆以上
GDPを0.13%押し上げるとか言ってた。

つまりは不幸って幸せに繋がってるって事か。

ただしそれを受ける人が同一とは限らないっと。

だったらどちらでもなくていいってのが許されるわけでもないっと。

どうでもいいけど向こうでも雪がちらっと降った。

地面に落ちた雪はすぐに解けて消えて染み込んでた。

福袋

2006年1月2日 日常
いとこの女の子が初売りにいくと言うので着いていきました。

CKとトルネードマートとポールスミスがあったんだけど
そもそも福袋やってるのかも分からない。

CKは持ってる人がいたけど
引き換え券制みたいでどこでもらうのかわからずに終了。

ご利用は計画的に、じゃなくて
ご利用の前に計画的に…一緒か。

どうせ俺に会うサイズは無かっただろうよ、はいはい。負け惜しみ。

ラコステとかダーバンは残ってたけど買う気も無く。

いとこはプライベートレーベルをゲットして嬉しそうでした。
ただし福袋じゃなくて単品買い。なぜだ〜。

エスカレーターの右側を開ける習慣がありません。
車の運転も丁寧です。
所変われば、ですね。

あけおめ。

2006年1月1日 日常
今年はずいぶんにして平凡なスタートでした。
あけましておめでとうございます。

母方の祖父・祖母に会いました。
なんて言うかね…
俺が言えば所詮負け犬の遠吠えであり戯言なんだろうけど
幾つもの齢を重ねた方に

「すべて滅びる」

なんて言われても返す言葉も無いわけで。

お正月だけど、そんな話。

冥土の旅の一里塚って一休さんだっけ?

死への意識の変化は核家族化が原因なんだろうだろうとふと思った。

それでも、おめでとうって言っとく。
おめでとうって言ってる。

もういいよ、意識なんて気にするのやめよう。
意識するのをやめよう。反射動作でいい。

黒いっていうならそれは黒いんだ。
白い烏がどこにいるのかなんて知らない。考えない。

おめでとうおめでとうおめでとう。
ことよろ。
えっと、おおみそかって事で。
格闘技見てました。PRIDEをね。紅白? なにそれ?
K-1か…曙がやられるさまとか見たくないし…
正直な所相撲界は現役横綱を出して欲しいw
やっぱ何だかんだいって国技だし。
あんな無様にやられてばっかじゃ(見てないんだけどw)気分悪いじゃん。
というわけで元柔道家がそれなりにやれるんだぜっていうのを見せた両名、
小川VS吉田の対決はしっかりちゃっかり見ました。

総合だとある程度のレベルになれば
腕ひしぎとか首締めで一瞬で勝負が決まるから
どっちが強いって実際難しいとは思うんだけど
(まぁ素人の意見ですが)
吉田が途中からなんとなく手加減してるように見えたんだよね。
たぶん、足折ったのわかちゃったからだと思う。
んで、まぁ俺は小川の方が好きだったんだけど…
結果はああなりましたね。

でも小川のマイクはちょっと嫌だった…
なんか美意識がないっつーかなんつーか。
負けて語るなよ…みたいな。

橋本を潰した頃のなんとなくヒールっぽいような小川の方が好きでしたよ。
いつのまにやら変わったのかはあまりチェックしてた訳ではないので知りませんが。

それにしても人を殴るってやっぱ大変だよね。
そう、理性的に殴るって、大変なんだよね。

その行為自体に嫌悪感を感じない人間はあまりいないと思う。
それは塩を舐めたら辛いって、薬を舐めたら苦いってのと同じ根元的なこと。

でもいくら苦くても薬を舐めざるを得ないって事もあるでしょ。
それでもできてしまうのが人間の強さであり弱さであり理性であり思考なんだけど。

高校の頃実際守るにも値しないプライドのために
放課後ケンカ売りに行って
そしたらそいつはおれはこれから用事があるんだって言って去っていたヤツを思い出しました。
振り返れば問答無用で殴りかかって行かなくって良かった気がする。

ほらね、ばれたら停学じゃないですかってそれが理由じゃないけどね。
それは「それは法律で決まってるから」っていう例の答えになってない答えと同じだよね。

まーおれはちょっとぶれてんだ。
ゴキブリなら殺せるし、たぶんドブネズミでも殺せる。
猫も野良猫が糞害甚だしいければ殺せちゃいそうな気もする。
ペットとかは無理っぽいけど。

ゴキブリで逃げる女の子の方がまったくまとも極まりないのかもね。

まぁただ、そのゴキブリを潰すときにも嫌悪感は感じてるんだけどね。
震災で食料無いときにウチのペットにご飯をなんていわないけどね。

ほんと良く分かんないつーの。自分でも。

ただ格闘技にはなんかがある。それが真実か錯覚かは分からないけどね。
それは何も無いよりはよっぽどましなことではあるよね。
正月を迎えるに当たって神様を迎える儀式をね。
まぁ儀式っていっても神棚にお供え物するだけだけど。
ただ、その供える物が細かく決まってるんだよね。
干し柿と…煮干は2匹とか。みかん乗せた餅とか。
注連飾りもなんか形が決まってるらしい。めんど。
手伝ってるときに親父が
「まぁこんなんより気持ちだけどな」
って言って俺は親父がそんな事言うなんて思わんかったら
ちょっとびっくり。

まぁ半分正しくて半分間違ってるよね。
簡単に言えば彼女とデートする時に気持ちでしょって
ボロボロの服で行くようなもんだ。

気持ちがあるならまぁ形にしなさいってこった。

というわけできっちりしっかりお供え物して
拝んでおきました。

…無宗教者ですが。

ちなみにウチって真言宗らしい。
なんだかんだ言っていちお引き継ぐんだけどね。
家紋と一緒みたいなもんですよ。
…あれ? ウチの家紋なんだっけ?

どうにもこうにも言ってることとやってる事が噛み合ってませんが
まぁこれぞ無宗教者っていった所でしょう。

そしてお墓参りに行きます。無宗教者でも墓参りはしますw

ただ、なんと言いますか
ウチって何代か前、結構前だったけど
貰い婿貰い嫁で血は途切れてるらしいんですよね。
あらら、「家」ってそんなもんかも知れないけどさ。

自分の曖昧な感覚だってそんなことを原因として押し付けられたら楽だね。
結局はヒトって形なわけでさ。こんなん深く考えなくてもいいやw

祖父は具合が悪く寝てばっかりでした。
祖母とは会話したんですが微妙に噛み合ってない。

話の途中の俺の返答を考慮しないでそのまま話すといった感じ。
ちょっと弱くなってるのかもしれません。

ちなみに俺は「会話」は大好きなんですが
「会話」っていうのはかなり危険ですね。

会話のキャッチボールと言うのか
意見の交換というのは時に微妙な雰囲気を作り出します。

俺はディベート好きだし討論後はそのまま何も気にしないんですが
そんな人は少ないですね。実際。
相対化大好きだから貴方はそう思ってるんですねで終わるんだけど。
ていうか自分が正しいとも思ってないし。
討論とまで行かなくても意見の交換っていうのは近いものがあるんですよね。

少数派なの分かってるなら多数派のフリすれば良かろうに。
聞き上手とかまさにそのまま問題無いしそっちの方がいいと言えばいいしさ。
でも、振り返って彼女とは会話が在った(合った?)から今も続いてると思う。
それは俺がフリをしてれば手に入らなかった物だしね。

といいつつなんでも聞く(利く?w)彼女がいたら
それはそれで良かったかもしれないし、
彼女の言うことほいほい聞いてるのもそれはそれで良かったかもしれないね。

…俺彼女の言うことほいほい聞いてるように見えるんだろうけどなーw

祖母の場合は話自体の展開がちょっと違っていたのですが。
簡単言えば俺に質問を投げかけてその質問は全く無視して続行と言った感じ。
これはどう対処すればいいんだろ。

ちなみに祖母は医療ミスに合った事があります。
その話も聞きました。

インターンが傷つけちゃいけない臓器をグサって感じらしいです。
これで死亡事故にでもなってれば新聞にでも載ったのでしょうが
容態が悪くなりましたが回復しました。
ただ、本当には回復はしてないんだろうけどそんな事は証明できませんしね。

そして…事故自体は隠蔽です。
隠蔽というか大事(おおごと、ね)にしてないと言った所かな。
問題にすればなったんだろうでしょうけど。
裁判したところで金貰ってもこっちしょうが無いんですよ。
もうその病院行けないし。他に病院ないんですよ。田舎は。
院長以下先生がずらっと並んで
今度からは全てしっかりやりますなんていったらしいし。
実際そんな事があれば次からは他の患者以上に念入りに見てくれそうですしね。

ということらしいです。現実的な対処ってこんなもんなんでしょうね。
俺は関与して無かったのでそうなんだとしか。

実は医療ミスって表に出てくる以上に多いのかもしれませんね。
怖いね。でも何もできないけどさ。神頼みでもしますか。

P.S. しかしそのミスで入院した分の金こっち持ちだったらしい。ありえねー。

ウソツキの奇声

2005年12月29日 日常
トントントン、何の音?
…ウソツキが嘘の木を突付く音だ。

田舎、帰りました。
田舎と言ってもここは大きな通り沿いで歩いて1〜2分しないところに
本屋・パチンコ屋・コンビニ・スーパーが揃ってます。
近くに警察署もあります。
でも下水道は通ってません。

そして、なぜかネット環境もありました。
ですから更新しないなんて嘘だった事にします。
前来た時、といっても5年くらいも前なのですが
その時はネット環境なんて微塵も無かったのに。
…でもトイレはボットン便所です。

空港まで向かう俺の格好はクロコダイルのチノパンに
やっすい厚手の長袖Tシャツ、上にポールスミスのシャツ、
そして1万円もしなかったPコート。微妙。
コートよりも中のシャツの方が高い。
なによりおかしいのがそんな格好に合わない青のドラムバックだ。
大きなサイズのバッグがそれしかなかった事を後悔する。
でもこんな日だ、空港のほうへと向かえば向かうほど
変な格好のやつらは多くなる。平気だ。
だいたい大きな鞄なんてそれだけで非日常的な(おかしい)もんなんだ。
…誰に言い訳してるんだろう?

というわけでその電車は帰省か旅行かだかの人でそれなりに混んではいたが
問題はそんな事じゃなかった。
ちっちゃい子供が叫びだした。
…不快だろ。おれが冷たいって訳でも無くて大抵のヤツはそう思うだろ。
子供大好きなヤツは違うかもしれないが。
でも俺は(といっても大抵のヤツがそうだと思うが)
こんな事ぐらい我慢できるし五月蝿いって文句を言うわけじゃない。
問題はそんな事でも無かった。
わりと近く、でもそんなに近くでもない場所にいたカップルの会話が聞こえてきた。
「俺が自分の子供だったらボコボコにしてるけどね」
男の方がそう言った。聞こうとして聞いたわけじゃない。そんな大きさの声。
女はえーと言っただけのようだった。
「電車の中で騒ぐんなら自分の子供でも殴るよ」
その言葉は明らかにその子の親にも届いていた。
…こいつは殴ってでも静かにさせろよって言ってるだけだ。
なんだこいつ。なんだこいつ。そしてなんだ隣の女。
こんな事を言うやつこそ逆に自分の子供なんて殴らない。違いない。
そして殴った所で子供はもっと叫びだすだけだ。
そして隣の女こそ最初の言葉で男を殴って咎めるべきなのに。
電車が少し静かになる。俺はその場から立ち去りたくて堪らなかったが
走っている電車から降りることはできない。
それ以上何も起こることはなかったけれど。幸せすぎる。

空港で親父と会い飛行機に乗る。母親は先に出発していた。
帰りは親父が先に帰り母親と一緒だ。つまりは親父は仕事。
時期によっては半分もしないんだろうけど家族3人分の渡航代は往復17万だ。
みんなが同じってのもあながちいい事ばかりじゃない。休みに限らず。

俺は鉄の箱が飛ぶのがおかしいとは思わない。パチンコ玉だって投げれば飛ぶ。
でもヘリコプターが飛ぶ理由の方が
飛行機の飛ぶ理由より納得できそうなのは何故だろう。
事故率はヘリの方が高いんだろうけど。

扉を開けると線香の匂いが漂っている。
先祖を大切にしているっていうのは悪いことではないと思う。
俺は…普段はその事をまったく気にせずに生きている。

5年くらいぶりの祖父・祖母との対面。

祖父は…老けていた。
髪の毛がさらに薄くなり、痩せていた。
そして、「余裕」が無くなっていた。

俺と祖父・祖母は家族ではあるけど会う機会は少ない。
だから、俺は基本的にどういう態度で接すればいいのか分からない。
でも祖父は、孫を可愛がるという態度で接し俺はそれに甘えた。
それが、無くなっていた。

祖母は…鼻にチューブを付けていた。
祖母はガンの手術をしていた。

祖母の鼻から酸素吸入器に伸びたチューブを
まるで見えてもいない様に振舞いながら
実際は注視して踏まないように気を配る。

歪だよな。

障害者は同情やおせっかいを望まないって言うけど
本質的に健常者と同様に扱うって事も歪な平等。
全員に同じサイズの服を配るようなものだ。

足が「自由」な数人と足が「不自由」な人が競争するとする。
そのままでは足が不自由な人は100%負けるので
そこそこの速さの電動キックスケーターの使用を許可できるとする。
許可をするべきなのだろうか?
許可した結果足の「自由」な人間の中で一番遅いものが負ける。
それでいいのだろうか?
そもそも「自由」な人と「不自由」な人が
競争するのが間違っていると言うかもしれない。
だったら不自由な人は切り離すしかない。
それは差別なのだろうか?

話が飛躍しすぎているけど、今回俺は「不自由」な人に補助を与え
尚且つその補助を全く与えてないかのように振る舞ったって事だ。
歪な平等が正しいって思うときだってある。思考が歪なんだ。

世界には正しいものなんて無い。
ただ自分にとって、正しく感じるものがあるにすぎない。なんて思うけど

正しいと感じて行動しているわけでないなんて歪以外の何ものでも無い…

こんな無駄な思考以外基本的にする事はないので
その歩いて1分の本屋で本買いました。
電撃文庫ジャケ買い。といってもこのジャケ文字しか書いてないけどね。
ちなみに超面白いと思ったので後で感想でも書きます。

うさぎ・補足とか

2005年12月28日 日常
ども、こんばんは。書いてる間におはようの時間。
慣れない事をすると疲れますね。
久々にあんな文章を書きましたが書こうとしていた2つって言うのは
この2つじゃなくて今だ書きかけのままです。放置バンザイ。いつ書くのかすら未定。

「うさぎ」は、

※ 「兎身を焼く」話は今昔物語の法話で、この兎は前世で罪を犯した為に獣として生まれ変わった人間である。自分の身を焼いたのも来世で人間として生まれ変わる為で、実の所感傷を呼び起こす物では無いのかもしれないが、ここではあえて事象から見た話として構成した。

って文章を最後に書こうかなと思ってたんだけど余韻ぶち壊しだよな、
だけどまぁいいや書いちゃえと思ったら文字数オーバーでしたw 
回想部分とか削ったんだけどね。悩まなくて良くなったのが結果的に素敵。
こっちは段落空けしてないんだけどどっちがいいのかな?

「B.B.」は、半年くらい前から構想自体はあって
書こうと思ってたけど気力が無かったのを
クリスマスに嫌がらせwとして書くならピッタリだと思って気合で書きましたw
えー、だってさ、改めて言う気も無いけど
クリスマスは向こう仕事だったんで1人だったんだよ。
おまけに29〜1/6まで実家じゃなくて田舎に帰るんで
新年を彼女と過ごす事もできないのさ。
それまで会う事もできない。終ってる…

友達にこんな感じの話が嫌いな人がいるんですが
(その人が好きなのはお約束ラブコメです)
いや、ホントに嫌がらせってわけじゃなくてね、
俺はなんだがこういう無情なものに惹かれる。
どうしようも無く切なくなる。

トランクに閉じ込められて死んじゃった男の子いたじゃないですか?
昔、冷蔵庫とかもいたね。かくれんぼしててそのまま…

でも結局、不謹慎ではあるのだけど
その事自体は当事者じゃなければ他人事でしかないんですよね。

ただ、その本人はきっと苦しくて堪らなかったんだろうし
その事を考えると切なくなりませんか?
(という話を友人にしたら普通そんなの考えないしとか言われたけど)

結構印象に残ってるセリフがあって、
某SF小説で主人公が昔見た映画のワンシーンの回想で
本編には関係無いんだけど、
宇宙で、ウェーブが狭いコクピットの中で救助を待つ間に
空気が無くなって苦しむって場面がある。
その時彼女(アイリーン・キャランという女優という設定)は本当に苦しみながら
「空気を一滴だけ……」
って言うんだよね。やっぱり、切ないよね。

後は…GTOでも、
満潮になると水没する洞窟に残された少年少女が脱出するために
少年が途中で先に出口があるかもしれない水路を
潜っていって調べるシーン。
無事に出られるからそれはそれでいいんだけど、
もし潜っていっても辿り着けず途中で力尽きる事を考えると
切なくなるよね。
少年は息絶える前に、残される少女の事を考えるのだろうし、
残された少女はその事実の意味を認めたくないまま
やがて水に飲まれて藻屑になるんだ。
これは機会があれば書きたかったけど
今回の書いちゃったらシュチュ似すぎだからな…
しかし元のGTOでこんな事考えたやついるんだろうかね。

そう言えば世にも奇妙な物語でもあったね。ロッカーに閉じ込められるって話。
ただその話はあまり…
すべてが形式的に進んでてまるでお化けと同義化されてるような感じだったから
感じる物は無かったんだけどね。

ちなみに友達に「Cube」?って聞かれたのですが知りませんでした。
勉強不足ですいません。
ただ、サイトの紹介文を読みましたがちょっと方向性は違うかも。
どっちかって言うと「Cube」は「バトルロワイヤルの根本」に近いんじゃ無いのかな?
死への恐怖よりは人への恐怖、かな。
いや、見て無いから全然違うかも知れないけど。

ちなみに「バトルロワイヤルの根本」って何かっていうと
あの話は結局ハッピーエンドな訳だけど
本当に最後の一人を決める話が合っても良かった気がする。それが根本。
ただ、それはそれで救いが無さ過ぎて難しいね。
アドベンチャーゲームにすればなんとか両立できるんだけど。
ぶっちゃけあんな続編映画作るくらいなら川田の1回目の戦いを描いた
「バトルロワイヤル・ゼロ」でも作ってくれた方が良かったのに。
(1作目の映画では川田の戦いがなぜか原作よりも触れられていてそれである程度は読み取る事ができるんですけどね)

話が少し反れたね…後俺は「寝てたら死んでるのと間違えられて生きたまま火葬される夢」見た事あるんだけどね…いや、恐いどころじゃ無かったよ。炉の中で目覚めるんだけど…まぁ後は想像にお任せします。

と言う訳でですね。
切なさを表現したかっただけで嫌がらせじゃないですからねw

あらら、もともと「うさぎ」の補足をいちお書くかってだけなのに
こんなに長くなってしまった…

書いた通り田舎帰りますんでしばらく更新はありません。
もともとあまり更新してませんがw
そして戻ってきたら何を置いても即「ひぐらし」なので
ますます更新はありませんw

なので先に言っときますね。

よいお年を。

うさぎ

2005年12月26日 駄文
「兎の話、知ってますか?」
彼女は剥ぎ取られた洋服を手繰り寄せながら言った。すらっとした上半身が鏡に映る。光量の落ちた部屋の中でしなやかな体が白く浮き立って見えた。鏡の中の彼女と現実の彼女の調和が幻想的だ。
「寂しいと死ぬって?」
それはデマだ。大体そんなちょっと調べれば分かるような事がなんで広まっているのだろう。冷たい炎なんて実際はありえないものまで表現しようとするどこぞの詩人の功績だろうか。
「それじゃなくて、御伽噺の…」
「時計を持った奴が電波の国にご案内ってやつか?それとも亀に負ける怠け者は駄目ってやつか?」
彼女の消え入りそうな声を遮る。彼女はいつもゆっくりと話す。俺はそれがもどかしくて、どこか世間知らずなまるで隔絶された塔の中で育てられたんじゃないかなんて思える彼女を時折殴りたいなんて衝動に駈られるが、女に手を挙げる事は数少ない俺の美意識に反したし殴れられた彼女が俺を見つめるときの瞳に嫌悪が無くても激しく自己嫌悪に陥るだろうかうからそんな行動は取らない。代わりに言葉が乱雑になるし抱くときには荒々しく残酷な欲望を満たすのだがそれは直す必要も無いと思うし彼女はそのことについてはなにも言わない。
「自分を焼いて捧げた、兎の話です」
首を横に振る動作も緩慢だった。そのあと続く言葉も遅い。またいらつきが鎌首をもたげそうになるが押さえた。それよりもどうして急にこんな事をいいだしたんだろうと訝しむ。彼女はまるで砂漠の中でやっとみつけたオアシスを見るように、あるいは、ウェイトレスが持ってくる大好きなケーキを見るような表情を俺に向ける。彼女は可愛い。マスカラを付けなくてもいいほど長い睫毛が物憂げで、さらさらとした細い髪の毛は光を浴びると金色に光る。しかしその可愛さを自覚できない所が彼女を不幸にしている。俺は何も言わず黙って彼女に話の続きを促す。
「兎が、どうして自分の身を捧げたか、その理由がやっと分かりました。昔、この話を聞いたとき兎がどうしてそんな事をしたのか分かりませんでした。可愛そうで、泣いてしまいました。でも、違うんです。兎は始めから、食べられるために生まれてきたんです。他の道があったわけではないんです。ただ、食べられるためだけに」
彼女の口調はいつもより少し早かった。いつもよりしっかりしていた。にも関わらず焦燥感が沸き上がる。話の意図が掴めないからだ。表情からそれを読み取ろうとしても彼女の表情は穏やかであった。アルカイック・スマイルを浮かべている様にも見える。おかしい。おかしいのだが彼女の態度を見るとそんな事を感じるのは自分だけというような錯覚に陥る。みんなが赤信号でも渡るなら赤信号を守る奴はおかしい。まるでみんなが行ってしまった後に赤信号が変わるのをぽつんと待っているようような感覚に似ている。俺は何かを言おうとして結局何を言えばいいかわからずに口を閉ざすと彼女は手にしていた洋服を身に着ける。生温いような沈黙が部屋に満ちる。彼女は着替えを終えた。白のタートルと黒いミニスカート。すらっとした肢は隠されずにそのまま露出している。
「私は兎なんです。だから、全てを捧げたいんです」
か細い声。いつもの彼女だ。

彼女と出会ったのはケイタイの出会いサイトだった。「家出しました。どなたか泊めてください」という書き込みに「来れば?」と一言だけ書いて送ったら返事が来た。俺は進学の為に一人暮らしをしていた。泊める代わりに抱いてもいいという解釈だったからその日のうちに彼女を抱いた。彼女はどこかぎこちなかった。でもまさかそんな事はないだろうと思っていたのに初めてだった。彼女は初めてという事について何も言わなかった。俺は初めてって気付いたときに止めようとしたけど欲望に負けた。その日から1週間程彼女はいたがおれはその日以外彼女を抱かなかった。彼女は俺が大学に行ってる間にご飯を作ってくれたし、休みの日は二人で街をぶらぶら歩いたりカラオケをしたりボーリングをした。奪った行為は俺にとって刺だったけど彼女と過ごした時間は穏やかに過ぎた。もし見合い結婚したとすればこんな感じなのかもしれない。たまに彼女がみせる戸惑いが行為によるものなのか打ち解けてないのか家を出た事に関するのかは分からなかったけれど。この時間はいつまで続くのだろうなんて考え始めた時、「ありがとうございました。そろそろ帰ります」と彼女は言った。俺は「そう、がんばんな」と送り出した。そうだ、こんな時間がいつまでも続くわけではないのだ。引き留める事はできなかった。引き留めてどうなる?

しばらくして、彼女から連絡があった。一緒に食事をして、体を重ねた。しだいにどちらともなく連絡をして会う事が増えた。こんな関係が付き合ってる事になるのかどうかは俺は深く考えた事はない。彼女がなんで俺に連絡をしてくるのかも分からないのに。

彼女は俺の言葉を待っていた。しかしなんと言えばいいのか分からない。また沈黙が訪れるがさっきの沈黙より肌寒い気がする。俺は彼女の言葉を言葉としては理解しているのだがそれは「あいうえお」や「ABC」のように直接意味を表現しているように感じられなかった。全てを、さ、さ、げ、る?俺に?この俺に?いや、捧げるって何を?丸焼きにして食べてくださいと言っても俺にはカニバリズムの趣味は無い。彼女は確かに食べちゃいたいほどの容姿を持っているのは間違い無いのだがその頬に、胸に、太股にナイフを入れる場面を想像すると吐き気がした。当たり前だが捧げるっていうのは精神的な物だろう。具体的にどうするんだ?と口を開こうとして思いとどまる。そんな言葉を吐くべきじゃない。彼女が何か言いかけた俺を見つめている。
彼女は俺の庇護性を刺激する。その仕草、表情、言葉のすべてがどうしようも無く守ってあげたくなるのだ。ただその一方で俺はそんな彼女を壊してしまいたくなる。壊してどうなるのかわからない。ただ、壊す、綺麗な物だから、壊す。2つの感情は相反するもので両立することはできない。…でも、それは根本的な所で繋がっている。…好きだから。好きだから、守りたくなる。好きだから、壊したくなる。そう、俺は彼女の事が好きだった。
「俺は兎なんかより…お前が、好きだけどな」
話の脈絡としては十分おかしい事を承知の上でそれだけを言った。言ってしまった。好きなんて事は口にすれば気恥ずかしいだけでしかないのだけど俺は他に言うべき言葉を見つけられなかった。彼女は否定形で始まる俺の言葉に少し表情を翳らせたが続く言葉にえっと戸惑いをみせてそれから微笑んでさらに涙を流した。そんな彼女を見てやっぱり俺は守りたくなって、壊したくなってしまったけどそれはどちらか一方に振れなくてもいいのだろう。彼女は不器用だ。自分の可愛さに気付く事もなく、その女の子そのものの態度が男にどんな印象を与えるかも分かってない。そしてそれしか方法を知らない。俺も人の気持ち、自分の気持ちすらよく分からないくらい不器用だから、ただ二人の距離を縮める為だけの事ですらこんなにも時間がかかってしまった。

「…んっ」
俺は彼女に近づくとゆっくりと口付けをした。思えば抱く前以外に恋愛表現としてキスをしたのは今が初めてだった。だから、このキスは特別な意味を持っていて、彼女はそれに気付いたみたいで終ってから俺の胸に額を押し付けてもたれかかってきた。俺は黙って彼女に腕を回した。

「やっぱり、私は兎です。寂しいと死んじゃうんです。だから、出来るだけ側にいてください」
バッグの中から取り出したハンカチで涙を拭って彼女は言った。

俺は、それデマなんだぞ、なんて事は言わずにただ言う。「そうだな」

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