いじり続けた瘡蓋がいつまでもぐちぐちと疼いている。
その痛みは煩わしくても大切なものではなかったか。
いや、大切なんかではなくただ逃れられない痛みでしかなかったのか。
自問しても、答えはもう出ない。
頂へと続く道。どれほどのものを犠牲にしてきたのだろうか。
そんなものはどうでも良かったではあるけれど。
最後に魔を払うのならば総てはゆるされるだろうから。
こだまは消えなくても。
背信背徳僧侶の君でも、いつも辛そうな顔を見せた。
癒しの順番は最初に自分、次は僕。
助からなかった命は恨んでいたのか。
語ることもできないまま消えていた。
思えば道中が一番楽しかったのだろう。
簡単な試練(クエスト)に適度なエンカウント。
その時のまま過ごせていれば良かったと思わないでもない。
それでも僕達は成長…してしまっていた。
最後は、ふたり。
引き返してもよかったのだと思う。
その頂上に確かに魔そのものはいた。
しかしそこに魔がいなかったとしたら僕たちはそこに登っていたのだろうか。
そしてそれは勝利を得たとしても同義だ。
たぶん、どちらも限界だった。
軽んじすぎた命の音はまだ聞こえている。
それは僕のせいで、君のせいで、僕のせいで、
壊れだしたのは君が先で。
僕は傷痕をいじっていただけだった。
直そうとしたのは君のほうが早かった。
君にとっての魔はその罪でしかなくて
僕の最後は独りで対峙していた。
決着はついたのかもしれない。
そもそもそんなものなかったのかもしれない。
気づけば僕はやっぱり独りでしかなかった。
魔を倒した感覚すら得られなかった。
そもそも、そこに魔なんていたのだろうか。
白い霧が視界を遮っている。
そう、やっぱり、何も無かった。
切り捨てたものに嘲笑われるほど虚無と絶望と自嘲してしまうわずかばかりの安堵。
そう、やっぱり、何も、無かった。
その痛みは煩わしくても大切なものではなかったか。
いや、大切なんかではなくただ逃れられない痛みでしかなかったのか。
自問しても、答えはもう出ない。
頂へと続く道。どれほどのものを犠牲にしてきたのだろうか。
そんなものはどうでも良かったではあるけれど。
最後に魔を払うのならば総てはゆるされるだろうから。
こだまは消えなくても。
背信背徳僧侶の君でも、いつも辛そうな顔を見せた。
癒しの順番は最初に自分、次は僕。
助からなかった命は恨んでいたのか。
語ることもできないまま消えていた。
思えば道中が一番楽しかったのだろう。
簡単な試練(クエスト)に適度なエンカウント。
その時のまま過ごせていれば良かったと思わないでもない。
それでも僕達は成長…してしまっていた。
最後は、ふたり。
引き返してもよかったのだと思う。
その頂上に確かに魔そのものはいた。
しかしそこに魔がいなかったとしたら僕たちはそこに登っていたのだろうか。
そしてそれは勝利を得たとしても同義だ。
たぶん、どちらも限界だった。
軽んじすぎた命の音はまだ聞こえている。
それは僕のせいで、君のせいで、僕のせいで、
壊れだしたのは君が先で。
僕は傷痕をいじっていただけだった。
直そうとしたのは君のほうが早かった。
君にとっての魔はその罪でしかなくて
僕の最後は独りで対峙していた。
決着はついたのかもしれない。
そもそもそんなものなかったのかもしれない。
気づけば僕はやっぱり独りでしかなかった。
魔を倒した感覚すら得られなかった。
そもそも、そこに魔なんていたのだろうか。
白い霧が視界を遮っている。
そう、やっぱり、何も無かった。
切り捨てたものに嘲笑われるほど虚無と絶望と自嘲してしまうわずかばかりの安堵。
そう、やっぱり、何も、無かった。
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