冷蔵庫とコタツ。

彼女の上司もお引越し。
いらなくなった家財をくれるそうです。
というか彼女がもう貰うと返事していました。
俺に話をする前に…

コタツと冷蔵庫。
えーなんというか
両方とも有ります…

受け取ったその財産と粗大ゴミの狭間に有る物を前に
僕たちは途方にくれていたわけで。

結論としてはコタツはなんとか置くとして
冷蔵庫はリサクルショップへ持っていくこととなりました。

車に乗せるとき傷つけてしまったその冷蔵庫に
価値があるなんてとても思えません。

処分代を払うことも考慮に入れていました。

冷蔵庫は中の触媒が振動に弱く
安定するのを待つために査定に4時間程かかるそうです。

名前と電話番号のメモを残し
僕たちは重い足取りで店をでました。

買取不可になったらバックれるかなんて言いながら
残したメモに偽名を使うほどの機転をきかせることも無く。

そして電話は掛かってくるわけで。

なんとその冷蔵庫を2500円で買い取るそうです。

彼女の上司はその冷蔵庫を僕が引き取らないのであれば
捨てるつもりだったらしい。

捨てれば処分代すら取られていたはずのものが
お金になっている。

なんだか衝撃でした。
ひょっとしたら粗大ゴミを漁るだけでも十分稼げるかもしれませんね。

知らないまま、気づかないまま
失ってしまう物ってなんて多いんだろう。

たとえば、微笑んでくれた
17の僕の側にいた君とか。