冬色の森の中では 今も死の匂いが香り
かすかに届く木漏れ日に 頬を照らされた少女は
まぶしそうに瞳を 無くした片手で遮るように
溜め息は形を持たず 虚ろに微笑んで

抱きとめようと伸ばした手を 愛と思い込んでいた
ゆだねられた体を 抱きしめてから気付く
瞬間の想いは 強すぎた憐憫
引き金を引こう 「楽にしてあげるから…」

冬色の森は消える 死の匂いだけ残して
新しい息吹が うごめくように見える
ベットに横たわると 浮かんでくる情景
つつまれるぬくもり つめたいままのこころ

伸びきった白い肢体 なぐさみものにする欲望
溶けていきたくても 力だけの暴走
雪が降る夜には 寝る前につぶやく
誰にも 自分にも届かない 「ごめんね…」

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