あれは付き合い出してからすぐのクリスマスだったか
1年後のクリスマスだったか…
イブだったか25だったか…その事は忘れた。日付なんてどうでもいい。
今もきっとこれからも忘れられない事は、
その日俺はヒエラルキーの最下層であり、資本主義の敗北者であったと言う事だ。

八王子の駅のすぐ側に、“辺境”の名を持つ宿泊施設はあった。
なかなか洒落が利いている。ここはご存知の通り陸の孤島だ。
同じ東京都でも都心部とココでは天気からして違う。
暮らす人々の性格も都会人に比べれば非合理的だ。
だからこそこんな事も起こりえた。なんて言うのはいい訳だけれど。

つい先日、バレンタインデーでもあった土曜日の夜に
強制ドライブをさせられた事は記したと思う。
そんな日の夜は宿泊施設は大人気なんだ。
理由が無いと抱き合うことすらできないんだ。誰もが臆病だから。
俺? 足りない理性じゃ欲望は押さえられないな。

そしてこの日もイブ(かクリスマス)であった。
しかし幸運な事に、部屋が一つ開いていた。
いや、これは不幸だったというべきだろう。

宿泊は10時から。現在の時間は9:50。
フロントで俺達は呼びとめられた。
まだ宿泊の時間では無いので休憩料金も付きますよっ
10分に5000円を払う奴が何処にいる?
時給に換算したら3万だ。
夜のお姫様だってそんなに稼いでるわけであるまいに。

そして俺達は入口の側の椅子に腰掛ける。
5分が経った。自動ドアが開きカップルが入って来た。
部屋のボタンを押す女。
順番ってのが理解できないのかね?
フロントの奴もお先にお待ちのお客様がと言っている。
しかし奴らは、休憩料金を払って部屋を奪い取った。
奪い取った、なんてのは負け犬の感覚でしかないだろう。
そう、俺は奴らに負けたのだ。たかだか5000円の為に。
髪の色も負けていた。威圧されていた。
女はこちらを一瞥して笑った。止まない被害妄想。

15分後、別の部屋が開いた。
それで俺達が路頭に迷うことは避けられたのだけれど、
その部屋はとても小さく汚く見えた。
聖なる夜に呪いの言葉を吐けるなんて幸せだ。
この負け犬は心すら貧しいに違いない。

一瞬だけ、こっちを向いた彼女がさっきの女と同じ目をした…気がした。

まあ、それだけの話だ。救いも無いし面白くも何ともない。
ただ、この事は忘れていられたはずだったんだ。
今日の朝までは。

つーわけで朝からラブホ。
泊まろうとしたときの時間は4:40。
サービスタイムは5時からなのでまだ宿泊料金。
2000円違う…時給に換算したら6000円も違うんですよw
(しかも宿泊扱いだと12時から延長がつくからもっと高くなりそう)
でも安くなるから20分待とうなんて言いずらいですよね。
彼女は仕事後なのですごい眠いみたいで20分すら待つの嫌がっている。
プライドを捨てて2000円を取るべきか?
同じ過ちを繰り返すのか??(さらに前回より金額安いんだけどなw)

微妙に悩んでたら(ココで悩む時点で成長もしてないって事だw)
フロントのおばさんが今入ると宿泊で2000円も違うのよと
こちらを一生懸命説得してくれるw

コンビニによって5時過ぎてから入りましたw
彼女もおばちゃんの前には引き下がってみたり。

結局何が言いたかったのかと言うと、
あーもう若くないんだなって事。
俺も彼女もね。

何事でも勝ち負けを争えるのは若さゆえの過ちであり、特権だろう。

そんだけ。

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